【2022年】買ってよかったもの10個

【インセンティブ150円の罠】クレジットカード勧誘バイトがつらすぎた体験談

クレジットカードの勧誘バイトというと、1,500円前後の高時給であることが多いんだけど、うさんくさすぎて応募をためらう人が多いと思う。
 
 
結論から言うと、

ほぼ飛び込み営業の仕事なので、メンタルが強くない人にはおすすめできない。

俺の2ヶ月のクレカ勧誘バイトの実体験をもとに、裏事情をまとめてみた。
 
 
長文の記事なので、あなたの興味のあるところだけつまみ読みしてもらえれば十分だ。
 

タップできるもくじ

アプリから応募〜面接まで

プチジョブというバイトアプリから応募してみた。
 

ちなみに、「簡単なカードPRのお仕事♪」などと求人案内には書かれており、「クレジットカード・勧誘」で検索してもヒットしないこともある。
 
たぶん、クレジットカードの勧誘だと激務のイメージが強いので、オブラートに包んで言い換えてるんだと思う。

 
面接は1回だけ。
最低限のコミュ力をチェックしているだけのようなので、経歴はほぼ関係なく受かると思う。
 
 
ノースキルでもぜんぜんOK。運転免許さえ不要。
門は広く開かれている。

インセンティブは1枚150円という罠


クレジットカードの勧誘バイトには、インセンティブという特殊ルールがある。
 
 
つまり、クレジットカードを1枚お客様に発行してもらえれば、時給にプラスしてボーナスが支給されるということ。
 
 
俺はこのインセンティブに期待してて、もし1枚発行ごとに1,000円くらいもらえると仮定すると、1時間に1枚お客様にクレカを発行してもらえれば、時給1,500円+ボーナス1,000円なので、日給に換算すると2万円くらい稼げるのではないかと踏んでいたんだ。
 
 
しかし、実際に研修で伝えられたインセンティブの額は、

1枚発行するごとに150円」という、超低単価のインセンティブ額だった。

 
まとめると、

  • 時給:1,500円
  • インセンティブ:1枚発行ごとに150円
  • 交通費:全額支給

時給はそこそこ高いんだけど、必死の思いでお客様にクレカを1枚発行してもらってたったの150円のインセンティブでは、正直やる気は出ない。
 
 
というかこれなら、クレカを1枚も発行せずにサボりまくって時給1,500円だけもらう方が賢い戦略になってしまうから、このインセンティブの金額設定はミスってる。

売り込むクレジットカードにしても、基本年会費無料で審査もゆるゆるのカードだから1枚発行するくらいでは大して利益が出ないんだろう。

クレジットカード勧誘は、完全なる薄利多売のビジネスだ。
とにかく人を騙してでも1枚でも多く発行させるしかない。
 
 
なので、どの求人案内にもインセンティブの額は載ってない。
インセンティブの額の低さを知られると、誰も応募してこないからだ。
 
 
 
とはいえ、接客が苦手ではない俺からすると、仮に1日に20枚クレカを発行すれば、「150円×20=3,000円」のインセンティブ額となり、時給と合わせれば日給約1万5,000円というなかなか美味しい額になる。
 
 
でも、俺は舐めてかかっていた。
クレジットカードを1枚発行する大変さを。
 

え?ガソリンスタンドで働くんですか?

求人広告には、

「勤務地:サービスステーション」

━━と書かれていたので「ああ、イオンかなんかの施設内で働くのかな」と思ってたんだけど、これは間違いだった。
 
 
サービスステーションとは、「ガソリンスタンド」のことだったんだ。
 

 
てっきり施設内の涼しい場所で勧誘できるかと思ってたんだけど、まさかのガソスタ。
夏は暑いし、冬は寒いし、風も受けるし、天候の影響はモロに食らう。
しかも、服がガソリン臭くなるというおまけつき。
 

メモ
ちなみに、「ガソリンスタンド」という名前はガソリンを給油するだけだった頃の古い呼び名。
 
今は給油以外にも、タイヤ点検・洗車・修理などいろいろサービスが増えているので、印象を変えるために「サービスステーション」という呼び名を普及させたいというのが、業界の狙いらしい。

 
勤務初日の集合場所がなぜかガソリンスタンドだったから、おかしいなとは思ったんだけど、まさかガソスタで働くことになるとは……。
 

1枚発行するまでに20人に断られる

俺は営業の経験もあったから、正直「いける」と思ってた。
でも、

クレカの勧誘は、かなりきつい。

営業スマイルをきちっと作って、
「ここにはよく給油に来られるんですか? クレカ作っておくと、現金で払わなくていいので楽ですよ!」というセールストークで客に近づいていくんだけど、ほとんどの人に「ア、ッス……ダイジョブッス……」と断られる始末。
 
 
きちんと断られるだけまだマシな方で、完全に無視されることもある。
自分の存在をスルーされるというのは、ナンパのプロであれば慣れてるのかもしれないけど、一般人はかなりメンタルを削られる。無視は最大の病み原因だ。

もうほとんど、飛び込み営業と同じだから、慣れない人にはつらいと思う。
 

ちなみに、ガソスタに来るのは中高年層が多い。
(車の所有率が低い最近の若者はあまり来ない)

成績を伸ばせた3つのコツ


 
とはいえ、何日もやっているとコツがつかめてくるもので、1週間くらいすると1時間に1枚くらい、合計1日に8枚くらいは発行できるようになってきた。
 
 
そのガソスタの来客数にもよるんだけど、1日の成績はおおよそこんな感じで評価される。

  • 0〜3枚:「やる気あんの?」というお叱りメールがLINEで飛んでくるレベル
  •  

  • 4〜6枚:最低合格ライン
  •  

  • 7〜9枚:じゅうぶん合格ライン
  •  

  • 10枚以上:「よくやった!お前は俺が育てた!」と褒められるレベル

1日で3枚以下だとネチネチお叱りLINEが飛んでくるし、それが続くと割とかんたんにクビになるらしい。
 
 
ただ、1日4枚以上なら、2時間に1枚発行できれば達成可能な計算になるので、そこまで難しくはない。
 
 
もちろん、雨の日は来客数が減ってしまうので、そんな日は1日3枚以下で終わることもあった。
 

実は、0枚で終わってしまいそうな日があったので、その日は自分で自分のクレカを家族カード含めて2枚分発行して、なんとか成績2枚で乗り切ったことがある。
 
成績0になるくらいなら、自己を犠牲にするのが営業の美しきクソ伝統なんだ。

 
ではここで、俺がクレカ発行の成績を伸ばせたちょっとブラックな3つのコツを紹介しよう。

①「クレジットカード」と言わずに「カード」と言う


 
まず、お客様とのファーストコンタクトの時に、「クレジットカード作りませんか?」と言ってはいけない。
 
 
多くの人にとってクレジットカードとは、

  • 年会費がかかる
  •  

  • 審査時に職業や年収を聞かれるのがイヤ
  •  

  • 解約がめんどくさい

━━というネガティブなイメージを持っている。
 
 
いきなり「クレジットカード」という単語を出してしまうと、その時点で断られる確率が上がってしまうのだ。
 
  
そこで、「クレジットカード作りませんか?」ではなく、「カード作りませんか?」と勧誘の言葉を変えた。

「カード」と言われると、なんとなく「無料のポイントカードかな?」と錯覚させられるので、成功率が上がるんだ。

ちなみに、クレカの発行には会社から支給されたiPadを使ってた。
 
 
そのiPadの専用アプリに、お客様の名前・生年月日・勤務している会社規模・年収などを入力していくので、このタイミングでポイントカードの発行ではなく、クレジットカードの発行ということはバレる。
(勘のにぶい客はそれでも気づかないけど)
 
 
だけど、ここまで話が進んでしまうと、今さら「やっぱ作るのやめます」とは言い出しづらいのが人の心理というもの。
その間に俺はどんどんクレカ発行の手続きを進める。
 
 
かくして、最初はポイントカードを作るつもりだったのに、いつの間にかクレジットカードを作ってしまっているという、Mr.マリックもびっくりの手品の完成だ。
 
人を騙してるようで心が痛むんだけど、まあ営業は多かれ少なかれ人を騙さないとやっていけないのも事実。

 
ちなみに、このクレカは「年に1度でも利用すれば年会費無料になる」というシステム。
 
でも、クレカを作ったまま放置して1度も使わないまま年会費が口座から引き落とされてる客は大勢いる。
忙しい人やそもそもマネーリテラシーのない人は、いつの間にか年会費を引かれてクレカ会社の養分になっているんだ。
 
養分になりたくなければ、自分の口座から身に覚えのない引き落としがないかどうか、ちゃんとチェックしといた方がいい。

 

②成功率が高いのは夕方


 
朝のガソスタには、通勤途中に給油しに来る会社員が多く、ゆっくり話を聞いてくれない。
 
 
実際には、iPadで申請するだけで紙の書類も一切不要なので、ものの5分くらいでクレカ発行申請が可能なんだけど、朝の会社員は5分も時間をとってくれない。
 
 
だが、夕方になると疲れた会社員たちが給油しに帰ってくる。

会社員たちは仕事終わりの夕方になると、疲れて判断能力が低下しているんだ。

「カード? なんかよくわからんけど、年会費無料なら作っとくか」と、よく考えずに作ってくれる人が多くなる。
 
 
独裁者ヒトラーも、わざと夕方に人を集めて演説してたらしいけど、大衆を動かすには判断能力が低下した夕方が最適らしい。
 
 
逆に言うと、
疲れてる夕方には重大な決断をしない方がいい。

クレカの発行くらいならいつでも解約できるからいいけど、高額な商品を買ったり重要な契約をするのは頭がスッキリしてる朝にやるべきだ。
 
 
 
ちなみに、意外にもトラックの運転手もクレカを作ってくれやすい。
 
長距離トラックの運転手はずっと一人きりで運転してるから、話し相手を欲しがってることが多い。
そこに巧みにつけこめば、意外とかんたんにクレカを作ってもらえたりする。
 

③あえて給油中に声をかける

これまた人の心理を悪用するコツなんだけど、

あえて給油中に声をかけるのが効果的なんだ。

ガソリンを入れるには30秒〜1分くらい時間がかかる。
 
 
その間、他には何もできず、給油ホースをずっと手に持って支えていないといけない。
 
 
あえてそのタイミングで声をかけると、客としては給油中なので体の向きを変えることもできないし、その場を離れることもできない。
強制的にこちらの話を聞かざるを得ない状況を作れるのだ。

ふつう、道で声をかけてくるナンパ師がいたら、ただ無視して距離を取ればいい。
距離さえ取れば、はっきり言葉で断らなくても拒否の意思表示ができる。
 
 
でも給油中にクレカ発行の勧誘をされると、給油が終わるまではその場を離れられない。
 
 
想像するとわかると思うけど、
自分が一歩も動けない状況で勧誘されると、すごく断りづらい。

距離を取れない以上、はっきりと言葉で「いらないです」と拒否するしかないんだけど、日本人は優しいというか、はっきりと言葉で断る訓練が足りない人が多い。
 
 
結果、断りきれずにクレカを発行してしまう人がけっこういる。
 
 
つまり、これは「NO」と言えない日本人を悪用したマーケティングだ。
我ながら性格が悪いんだけど、こういう悪知恵を働かせると人生が楽になったりもするんだ。
 

動けない給油中にあえて声をかけると、「NO」と言えない日本人は断りきれない。


 

わずか2ヶ月で辞めた理由

と、なかなか勧誘のコツもつかめてきたことで、成績も上がってはいたんだけど、結局2ヶ月くらいで辞めた。
  
 
辞めた理由は、

1枚150円というインセンティブが割に合わない。

━━これに尽きる。
 
 
クレカ1枚発行するまでに、10人くらいに断られるのは当たり前。
そこまでメンタルを削られてようやく獲得した1枚のインセンティブが、たったの150円とは安すぎる。
 
 
10枚獲得しようとすると、100人くらいに断られる計算になるけど、それでもたったの1,500円のインセンティブとはどうなってるんだ。
安すぎニッポン。
 
 
 
ところで、A8netでクレジットカードを検索してみると、こんな案件がヒットした。
 

 

ENEOSカード


 
ENEOSのクレジットカードなんだけど、この案件ならインターネット上で誰か1人がENEOSのクレカを発行してくれたら、1枚ごとに成果報酬が477円も獲得できる。
 

つまり、ENEOSのクレカのレビュー記事を書いて、インターネット上に放置しておけば、記事を読んだ誰かがクレカを発行してくれるから、寝てても成果報酬477円がチャリンチャリンと入ってくるんだ。

 
このへんのブログのすごさはこの記事で解説したので、よければ。▼

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どう考えても、インターネットで戦ったほういいと思わないか?
 
 
リアルに人と会って営業して、クレカを発行させるのは効率が悪すぎる。
 
 
それに、ガソリンスタンドに来る人は給油をしに来ているわけでクレカを作りに来てるわけではない。
なのに無理にクレカを勧誘すれば、逆にそのクレカのブランドに悪いイメージがつく可能性さえある。
 
 
だけど、インターネットなら、クレカを作ってみたいと思った人しか記事をクリックしないから、悪いイメージがつくことはない。
 
 
やっぱ、インターネット最強。
足で稼ぐ営業マンはGoogleに駆逐されつつある。
 

 

 

 
辞めた理由として、もう一つあるのは、
半強制的にガソスタの業務をやらされたから。

俺はあくまでクレジットカードの勧誘員としてガソスタに立つんだけど、お客様から見ると俺もガソスタの店員と同じ制服を着ているからガソスタの店員だと思われてしまう。
 
なので、

  • 「タイヤの空気圧を測って」
  •  

  • 「スペアタイヤはどれを選べばいいの?」
  •  

  • 「洗車のやりかた教えて」

━━など、クレカの勧誘に関係ないこともばんばん頼まれるのがめんどくさかった。

そもそも俺は、ガソスタの業務の研修なんて受けてない。

研修時には、「クレジットカードの勧誘するだけで、他のことはしなくていいよ」と言われていたんだけど、現場ではそうはならず。
 
 
ただ一度だけ、洗車に来た高級車(フェラーリ?)をドライバーの人に代わってちょっと運転させてもらったのはいい経験だった。
(高級車に乗ったのは初めてだったけど、ちょっとアクセル踏むだけで半端なく加速するから高齢者が運転すると確実にコンビニに突っ込む)
 
 
とはいえ、車にもガソスタの仕事にも興味がなかったので、辞めました。
 

【まとめ】あなたが営業に向いてるかどうか分かる


 
クレカ勧誘のバイトは、ほとんど飛び込み営業と同じなので、メンタルへのダメージが大きい。
 
 
バイトとはいえ、成果が数字であらわれるという弱肉強食の営業の世界なので、メンタルが不安な人は辞めておくのが吉だと思う。
 
 
ただ、

自分を客観的に見つめてみたい人にはクレカ勧誘のバイトはおすすめだ。

営業の仕事は優秀かどうかよりも、その人の持っている「なんとなくの雰囲気」で決まることが多い。
 
 
たとえ無能でも、人懐っこそうな笑顔とか、雰囲気とか、喋り方をする人は、意外と商品が売れるんだ。
 
 
こういう特徴は自分では気づかないものなんだけど、営業の世界では数字となって目に見える形で現れる。
 
 
自分では根暗だと思ってても、営業だと意外な才能を発揮する人もいる。
 
 
 
まあ、たかがバイトでいつでも辞められるんだから、「自分が営業に向いてるかどうかを調べるためのリトマス試験紙」だと思ってクレカ勧誘のバイトをやってみればいいと思う。
 
 
ほんとにメンタルがヤバそうなら、早めに撤退すればいいですよ。
 

参考文献

どんな本?
メルカリ創業者の山田進太郎さんが、サンフランシスコで飲食店を起業した時に、こんなことを考えていたエピソードが本書で紹介されている。
 

「お店で接客できるのは1日にせいぜい100人から200人ぐらいだが、自分で運営しているサイトにはすでに100万人以上のユーザーがついている。
お店での100人か、インターネットの向こうにいる100万人か、どっちを選ぶか?」

 
この問いをきっかけに、彼は店舗の接客からインターネットの世界に移ったらしい。
 
クレカの勧誘もこれと同じで、「ガソスタに来る1日数百人の客よりも、インターネットにいる数億人というユーザー相手に商売した方が稼げるよね」という理屈。
 
やっぱりインターネットは最強だ。


 

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