半導体メーカーの海外出張体験談【貯金は貯まるが英語力は伸びない】

URLをコピーする
URLをコピーしました!

3ヶ月のアメリカ出張から帰ってきたので、感想をまとめたい。
 
 
「海外出張=自由で開放的」というイメージがあるけど、ぜんぜんそんなことなかった。
 
 
海外出張の結論はこうだ。

結論

  • お金はたまるけど、英語力は意外と伸びない。
  •  

  • ミニ日本社会の濃密な人間関係がめんどくさい。


 
俺の勤務してた半導体メーカーの海外出張体験をもとに書くので、全ての海外出張に当てはまるわけではない。
念のためご注意を。
 

タップできるもくじ

海外出張でがっかりだったこと

俺も最初は「アメリカへの海外出張なんてカッコいい!」と思ってたけど、実際は全くそんなことなかった。

日本人同士で働くから英語力は上がらない


 
俺の勤めてた半導体メーカーは、日本企業だから外資系企業ではない。
 
 
だからアメリカに出張に行ったところで、

結局は、ほぼ日本人同士で働くことになる。

アメリカでは工場の中に入って働いてたんだけど、会話してたのはほとんど日本人同士だ。
 
 
現地で採用されているアメリカ人もいたんだけど、一緒に作業することも会話することもほぼなかった。
 
 
日本人とアメリカ人で共同作業するより、日本人は日本人同士のグループ、アメリカ人はアメリカ人同士のグループで別々に作業した方が効率がいいんだ。
だから、仕事上で英語が必要になることはほぼなかった。
 
 
仕事で会話するのもメールするのもほぼ日本人だけ。
これでは英語力が上がるはずもない。

  • ホテルのフロントの人、宿泊客などに積極的に話しかける。
  •  

  • スーパーに買い出しに行くときにレジ係の人と話す。
  •  

  • 観光に行くときに現地人と話す。


━━このように、自分から積極的に話しかけにいかないと、単にアメリカ出張に行っただけでは英語力はまるで上がらない。
 
 
しかし実際には工場での勤務で疲れてしまって、英語で話す元気は残らない。
だから必要がない限りホテルのフロントには話しかけないし、スーパーに行っても話す必要のないセルフレジを使うし、観光に行っても同行した日本人とばかりしゃべってしまう。
 
 
慣れない英語で話すのは、想像以上に脳への負担がデカい。
 
 
だから、なるべく日本語で済むような楽な環境ばかりを選んでしまうんだ。
 
 
せっかくアメリカ出張に来たのに、ホテルの窓から見える景色が日本からアメリカに変わっただけで、日本社会で働いているのとそこまで変わらなかった気がする。
 
飲み会事情
ちなみに、飲み会も全て日本人同士でやってた。
 
一応は同じ工場内で働いてたアメリカ人グループと一緒に飲み会をやることは一度もなかった。
 
現地のアメリカ人は仕事が雑だったので、日本人駐在員がアメリカ人を嫌ってたという事情もあるからだと思う。
 
だから、自分でアメリカ人との飲み会をセッティングするくらいの積極性がないと現地人との飲み会はない。
でも俺はアメリカ人と飲み会ができるほどの元気はなかった。

 

ミニ日本社会の息苦しさ


 
「アメリカ出張=開放的!自由!」
━━そんなイメージがあるかもしれないけど、あくまで日本企業として出張に行くだけだから、仕事で関わるのは日本人ばかりだということはすでに書いた。
 
 
現地では少人数の日本人(俺の場合は8人くらいだった)と関わることになる。
まるで「ミニ日本社会」のようなものだ。

  • 毎日同じメンバーと働く
  •  

  • 同じホテルに宿泊してる人もいるから、ラウンジなどでよく会う
  •  

  • 毎週同じメンバーでの飲み会や観光


━━現地では人の流動性がほぼないから、ずっと固定メンバーだ。
 
 
気の合わないメンバーがいたら地獄だし、仕事でミスをしたらあっという間にその情報はミニ日本社会に伝達される。
 
 
ビザの関係上、帰国日は決まっており、きついからといって早めに帰国させてもらえる可能性はほぼない。
 
メモ
実は俺もかなりきつかったので、「早めに帰国できないか」と遠回しに現地の駐在員に聞いたんだけど、「ありえない」と一蹴された。
 
それなら、「自分で勝手に帰国便の飛行機のチケットとってバックれ帰国してやろうか」とまで思ってたけど、さすがにそれをする勇気はなかった。

 
だいたいどの業界の出張でも、海外にいる日本人メンバーは少数だ。
だから、海外出張は「ミニ日本社会」で暮らすことになる。
 
 
むしろ日本にいる時よりも海外出張に行った時の方が、少人数な分、日本人同士の人間関係は濃密になってしまう。
 
 
この濃密なミニ日本社会の息苦しさはかなりつらかった。
 
 
気の合わない同僚・上司がいても、帰国日までは絶対に一緒に働かないといけないんだから。

給料は日本円


 
当然だけど、日本企業に雇われてるから給料は円でもらう。
 
 
今はひどい円安だから、同じ仕事をしていても「円」でもらうより「ドル」でもらう方が価値が高くなるという不平等な状況になってる。
 
 
日本脱出を目指すなら、海外の現地企業に雇われて給料を「ドル」でもらう方がいいんだろうなと思う。

メモ
そういえば、現地で雇われているアメリカ人のtemporary worker(派遣社員)に聞いてみたところ、なんと時給23ドル(日本円で約3,000円)だった。
 
8時間働けば日給が2万4,000円にもなる計算だ。
 
税金がどれくらい引かれるかは知らないし、アメリカは物価が高いからそれほど裕福な暮らしはできないのかもしれないけど、日本円の「弱さ」を感じてしまった。

海外出張のメリット【お金は貯まる】

もちろん、海外出張はメリットも大きい。

海外出張は金銭的にはかなり儲かるし、貯金もできるのが事実だ。

非課税で日当がもらえる

半導体メーカーであれば、海外出張に行く場合、日数分の日当がもらえるはず。
 
 
国ごとに日当の額は変わってくるんだけど、俺の会社では「アメリカ滞在1日×約7,000円」だった。

メモ
入国時の隔離期間や、土日などの休日も日当は支給される。

俺の場合は、アメリカにちょうど70日ほど滞在したから、「7,000円×70日=約49万円」もの日当が支給された。
 
 
しかも、この日当は非課税だから、税金を引かれることはない。
49万円もの大金が、まるでおじいちゃんからもらうお年玉のように1円も引かれることなく支給されるんだ。

もちろんこの日当に合わせて基本給ももらえるから、海外出張中の月の手取りは40万円を超える
 
 
俺は「工場勤務で疲れ果てた後、ホテルに直帰して寝る」という社畜みたいな暮らしだったので、ほとんどお金を使うことがなく、40万円はほぼ貯金に回ってた。
 
 
それに出張時は、全額会社負担で3つ星ホテルに泊まってたから、家賃・水道光熱費などの固定費もゼロ。
固定費は通信料金の4,000円だけだったから、おもしろいように貯金がたまった。
 
 

マイルなどのポイントが貯まる


 
ホテルだけでなく、往復の飛行機代も全額会社負担だ。
 
 
俺の場合は「羽田空港⇄ポートランド空港」の往復チケットを全額会社負担で買ってもらった(往復で20万円くらいの交通費だった)。
 
 
会社に買ってもらったとはいえ、マイルは自分のアカウントに自由にためることができる。
 
 
おかげで俺はデルタ航空のマイルが6,315マイルもたまった。▼

シーズンによっては「1マイル=5円」になったりするから、「6,315マイル×5=約3万円」もの価値になる。


 
実質3万円分の価値を持つマイルがタダでもらえるんだから、完全なボーナスでしかない。
 
 
全額会社負担で宿まっていたホテルも、合計63泊したので78,540ポイントたまった。▼

78,540ポイントあれば、日本のマリオット系列のホテルのシングルルームなら無料で6泊くらいできる。


 
海外出張はふつう、飛行機代とホテル宿泊費が全額会社負担だから、その分のマイルやポイントをただ取りすることができる。
 
 
マイルやポイントは給与明細には載らないから忘れがちだけど、海外出張の隠れたボーナスだ。

領収書マジックで儲けられる(裏技)


 
海外出張ではいろいろな経費を精算することになる。

  • タクシー代
  • レンタカー代・ガソリン代
  • コインランドリー代 などなど


━━俺の会社ではこれらにかかったお金は、いったん自分で立て替えて後からその分のお金を会社から振り込んでもらうことになる。
 
 
もちろん、領収書をきっちり保存しておかないといけないんだけど、実は領収書はいろいろ裏技を使うことができる。
 
 
たとえばこんな裏技がある。
 
コインランドリー代
俺の宿泊してたホテルについてたコインランドリーは領収書が出なかった。
 
だから出張の間、何回コインランドリーを使ったのかは、日本に帰国後、会社の経理部に領収書なしで自己申告するルールだった。
 
実際には週2回しかコインランドリーを使っていなかったとしても、「週5回コインランドリーを使った」とウソの申告をすれば週5回分のコインランドリー代金が支給される。
 
つまり、差額の3回分のコインランドリー代金は丸々儲けることができる。

 
ガソリン代
「20ℓ給油する」とガソリンスタンドの受付スタッフに申告し、先に20ℓ分の金額が書かれた領収書をもらう。
 
しかし実際には10ℓだけ給油する。
 
スタッフに「10ℓしか給油しなかったから10ℓ分だけのお金払うわ」と申告する。
 
スタッフが「領収書を10ℓ分の金額に変えるかい?」と聞いてくるけど、それは断る。
 
これで、10ℓしか給油してないのに20ℓ分の金額が書かれた領収書を手に入れることができる。
この領収書を経理部に提出すれば、差額の10ℓ分の金額は丸々儲けることができる。
 
(領収書にテキトーなアメリカのガソリンスタンドだからこそできる裏技だから、他の国でできるかはわからない。日本のガソリンスタンドだとまず無理)

 
タクシー代
テキトーなタクシー運転手だと、空欄のまま領収書を渡してきて「宛名も金額も自分で書いとけ」と言われることがある。
 
空欄なら自分の好き放題に金額を書けるので、実際に払ったタクシー代よりも高い金額を領収書に書いておけば、その分を儲けることができる。
 
(これも国によるし、そのタクシー運転手が真面目かどうか次第だ。日本のタクシーだと絶対無理だろなあ)

まさに領収書マジック
 
 
しかも経費精算でもらえるお金はもちろん非課税

必死に働いて昇進して上がった賃金は容赦なく累進課税されてさっ引かれるけど、領収書マジックでごまかして得たお金は非課税だから全額もらえる。

これなら、昇進して給料UPを狙うより、領収書ごまかして経費を多めにもらった方が儲けられますやん。
 
 
もちろん魂がきれいな俺は領収書マジックなんかやってないけど、バカ正直に申告するより領収書マジックを使った方が儲けられるのは事実だ。
 
 
「領収書がどう処理されるのか・どれくらい厳しいのか」は会社によって全く違うだろうけど、どんな会社でも多かれ少なかれ領収書マジックは使えるはずだ。
 
 
国内に比べると海外の領収書処理はめんどくさいので、その分、経理部による領収書チェックが甘くなることもあるんだと思う。

隔離期間中はニートできる(コロナ禍限定)


 
まだまだコロナ対策は続いてて、入国者に数週間の隔離期間を求める国がある。
 
 
隔離期間中は、政府指定のホテルで引きこもって暮らすことになる。
実質ニート同然の暮らしをするにもかかわらず、隔離期間中も基本給と日当が出る。天国だ。
 
 
もちろん国によってはひどい隔離施設に泊まることになったりするし(中国の隔離施設はご飯がまずくて大変らしい)、部屋から出られないのではストレスがたまる人もいるだろう。
 
 
とはいえ、働かなくてもお金がもらえるんだから、実質有給休暇と変わらない。
 
 
コロナ禍が終わって隔離の必要がなくなれば、このメリットは消えてしまうけどね。

【まとめ】海外出張はお金はたまるけど、英語力は意外と伸びない

あくまで半導体メーカーに勤務してた俺の海外出張体験談だけど、

結論

  • お金はたまるけど、英語力は意外と伸びない。
  •  

  • ミニ日本社会の濃密な人間関係がめんどくさい。


━━これが俺の結論。
 
 
とはいえ、ポジティブに考えれば、全額会社負担で海外で働くという貴重な経験ができる上に、日本国内で働くよりもはるかに高いお金をもらえるんだから、チャレンジしてみてもいい。
 
 
半導体不足の情勢が続く限り、半導体メーカーの人手不足は続くはず。
 
 
俺もかなり簡単に大手の半導体メーカーに転職できてしまったから、海外での勤務を経験してみたい人にはおすすめ。
もちろん「楽な仕事」とは言えないけどね。
 

気に入ったらシェア
URLをコピーする
URLをコピーしました!

コメント

コメントする

タップできるもくじ
閉じる