こんにちは、タロンです。
あなたは、自己啓発本やビジネス書を読みますか?
僕はビジネス書はよく読むのですが、自己啓発本はあまり読みません。
いやいや、そもそも自己啓発本とビジネス書の違いってなによ?
━━って話になりますよね。
今回は、両者の違いについて解説します。
結論だけ、先に出しておきますね。
・自己啓発本:著者の自慢話で、一般性がない。しかも精神論的。
・ビジネス書:客観的に分析しており、一般性がある。しかも論理的。
では、じっくり解説していきます。
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1.自己啓発本とビジネス書はごっちゃにされがち
僕はよく思うのですが、
たとえば、以下の動画でも、両者はごっちゃになっています。▼
この動画では、ビジネス書を100冊購入した男性が登場しますが、僕の見るところ、その100冊のうち、ほとんどは「自己啓発本」だと思いますね。
メディアでも、ビジネス書と自己啓発本はあまり区別せずに語られていますが、僕は両者にはかなり違いがあると思っています。
2.両者の違いはこれだ!
では、本題。
ビジネス書/自己啓発本の違いを、ざっくりと紹介しましょう。
・自己啓発本:著者の自慢話で、一般性がない。しかも精神論的。
・ビジネス書:客観的に分析しており、一般性がある。しかも論理的。
ざっくりしてますが、これが自己啓発本とビジネス書の違いです。
「一般性」とは、「他の人にも当てはまる」ということです。
たとえば、「僕はこうしたら宝くじに当たった! あなたもこうすれば宝くじに当たる!」という主張は、当然、他の人には当てはまりませんよね。
その人の運がよかっただけです。ただの運に一般性なんかありません。
考えてみたら当たり前のはずなんですが、世にある自己啓発本はこんな主張をしている本が多いのです。
「俺はこうやったら成功した! あなたも俺と同じことをしたら成功できる!」というのは、あまりにも乱暴な主張だし、読んでもムダです。
ただ、自己啓発本の方が、優しい言い方をしている本が多いので、読んでいると「自分もできる気がしてくる」効果があります。
しかし、それは間違いなく錯覚なので、2、3日もすれば冷めます。
自己啓発本は、あまり読まない方がいいと思います。
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それに対して、ビジネス書はどうでしょう?
ビジネス書の特徴は、「客観的であり、論理的」だということです。
客観的である分、少し冷たく感じられるかもしれませんが、ビジネス書を読む方がはるかに有益です。
また、ビジネス書には精神論がありません。
その時点で読むのをやめてもいいかも。
✅自己啓発本=著者の自慢話に終始している
✅ビジネス書=その人の専門知を活かして、なんらかの未来予測を立てている
──両者にはこんな違いがあると思う。自己啓発本は確かにムダだけど、ビジネス書はむしろ読むべきだと思います。
もちろん、両方の特徴が入り混じっている本が多いけどね😌
— タロン@本読み (@shin_taron) October 30, 2020
3.両者を見分けるための3つのチェックポイント
では、自己啓発本とビジネス書を見分けるための、3つのチェックポイントを紹介しましょう。
見分け方はこちらです。
①図やグラフの多さで見分ける
②著者の属性で見分ける
③引用元の多さで見分ける
もちろん、僕なりのざっくりした見分け方ですが、参考になるはず!
では、この3つのチェックポイントを順番に解説します。
①図やグラフの多さで見分ける
まず、パラパラとページをめくってみましょう。
パッと見た感じ、図やグラフがたくさんあるようであれば、ビジネス書の可能性が高いです。
自己啓発本は、単なる著者の自慢話なので、図やグラフが少ない傾向にあります。
たとえば、『シン・ニホン』という本は、こんな専門的なグラフが山ほどのっています。▼
ちなみに、『シン・ニホン』は、かなりおもしろいビジネス書です。ぜひご興味があれば。▼
他にも、ビジネス書の中でいちばん有名な、『ファクトフルネス』も、グラフが多いです。▼
パラパラとページをめくってみて、図やグラフがたくさんのっているようなら、ビジネス書の可能性が高いので、買ってみてもいいと思います。
もちろん、グラフの多い少ないだけでは判断できませんが、
ちなみに、文字がやたらと大きい本は、自己啓発本の可能性がかなり高いので、注意。
文字が大きくて読みやすいからって、安易に買わない方が吉です。
②著者の属性で見分ける
著者の属性をじっくり見るのも、大事な見分け方です。
バリバリの実業家で、「ずっと会社経営やってました」みたいな人は、自分が叩き上げの努力でのしあがってきただけに、精神論的な自己啓発本を書いてしまう傾向にあります。
もちろん、経営の最前線を突っ走っている現役バリバリの実業家の人にしか見えないこともあるので、そういう人が書いた本の方が貴重だったりもするのですけどね……。
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それに対して、大学や大学院、シンクタンクなどのいわゆるアカデミズムに近い立場の人が著者の場合、しっかりとした客観的なビジネス書を書いていることが多いです。
特に経営学者は、いいビジネス書をたくさん書く人が多いです。
たとえば、楠木建(くすのき けん)の、『ストーリーとしての競争戦略』は、けっこうムズカシイですが、最高のビジネス書だと思います。
楠木建は、経営学者であり、一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授です。
大学に属している人は、やはりかなりの知的訓練を積んでいますから、それなりに信頼できる本を書きます。
ハズレのない本を読みたいなら、とりあえずは大学教授の書いた本を読むのがいいのでは、と思います。
③引用元の多さで見分ける
パッと見てわかりやすい見分け方は、引用元の多さです。
自分の自慢話や精神論みたいな主張ばかりですから、そりゃ論文なんか引用できません。
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それに対して、ビジネス書は大抵の場合、たくさんの引用元が示されています。
本の後ろの方に、引用元がまとめて示されているはずです。▼
ここにしっかりと、論文や他の専門家の著作などが引用元として示されていれば、かなり信頼のおけるビジネス書だと思います。
ただし、わざわざ引用元を探して、「ほんとにここから引用してるのか?」と隅々まで探すような根気のある読者はいませんから、ウソの引用元を書いていてもバレないような気がしますけどね……笑。
いや、さすがに他の専門家からツッこまれるから、一発OUTか。
まあ、つまり、引用元(エビデンス)が示されていれば、かなり信頼できるのではないか、ということです。
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自己啓発本とビジネス書を見分けたい場合は、とりあえず、
①図やグラフの多さで見分ける
②著者の属性で見分ける
③引用元の多さで見分ける
━━これら3つのチェックポイントでざっくりと見分けちゃいましょう。
もちろん、これだけで完璧に見分けられるわけではないですが、くだらない自己啓発本を買ってしまうリスクはかなり減るかと……。
4.自己啓発本にもメリットはある!
さて、今までかなり自己啓発本をバカにしてきたので、もしかしたら怒っている人もいるかもしれませんね。
しかし、僕も大学に入った頃は、自己啓発本をたくさん読んでました。
(「賢くならなきゃ!」と思って、自己啓発本ばかり買いこんでいたのです)
今でこそ、自己啓発本はもう読みませんが、一応、自己啓発本にもメリットはあります。
「語彙力が増える」とか、当たり前のメリットはとりあえず置いといて、自己啓発本を読む最大のメリットは、
そして、読書の習慣がつく。
自己啓発本は、基本的に読者に「気持ち良くなってもらう」ために書かれているので、めっちゃ読みやすいはずです。
ビジネス書が読み進めるのがムズカシイ硬い肉だとすると、自己啓発本は流動食です。誰でも読めます。
もちろん流動食ばかり食べていては、アゴが弱くなってしまい、ムズカシイ本を読める体力がなくなるのでよくありません。
とはいえ、
・まずは読書の習慣をつけたい人
・とりあえずたくさん本を読んだ気分になりたい人
━━こんな人には、むしろ自己啓発本はおすすめです。
読書の入門として自己啓発本を読むのは、むしろ合理的かもしれません。
どんな分野だって、まずはカンタンな課題からこなしていきますしね。
大事なのは、自己啓発本に読み飽きたら、もっと難易度の高いビジネス書を読もうとするチャレンジ精神だと思います!
【まとめ】初心者は自己啓発本・それ以外の人はビジネス書を
以上、自己啓発本とビジネス書の違いや見分け方について、ご紹介してきました。
最後に言いたいのは、
・初心者は自己啓発本から読み始めよう
・それ以外の人はビジネス書にチャレンジ
━━ということですね。
まだ読書に慣れていないなら、恥ずかしがらずに自己啓発本を読めばいいのです。
有名なコピーライターが自己啓発本を書いていることも多いので、わかりやすい文章の書き方は学べるはずです。
ただし、自己啓発本に飽きたら、本格的なビジネス書にチャレンジするといいと思います。
以上! タロン(@shin_taron)でした。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました!