Small+α すもぷら

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フランスにはやんちゃな小悪魔がいる。『小さな泥棒』レビューネタバレあり

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 フランスには小悪魔がいます。それが彼女。

すごいキュート!

シャルロット・ゲンズブールという女優さんです。

 少女期から大人への過渡期にあって揺れ動く少女を、入魂の演技力で演じています。

 たまには童心に帰って、こんな映画を見るのはいかがでしょう。

あらすじ

 16歳のジャニーヌは、叔母夫婦と暮らしている。早く大人になりたいと焦るジャニーヌ。

 持ち前の盗みの技術を駆使して万引きを重ねるが、ついにばれてしまう。

 少しずつ居場所が狭まる中で数々の男に出会い、彼女は妊娠する。

 彼女は腹に宿った子供をどうするか、選択を迫られて……。

プロローグで流れる不気味な歌

  この子は一本歯。

  一つ目の子をどうしよう

  一本歯の子をどうしよう

 冒頭で不気味な歌が流れます。

 舞台は第二次大戦後間もないフランスですが、すでにインドシナ戦争が始まっていました。

 当時のフランスでは愛国的でマッチョな雰囲気が支配的だったのでしょうか。

 障害を負った子供は軍隊には入れず、お国のためにならない……。

そんな心境を、親の側から歌った曲なのかもしれません。

「ニュー・ルック」 女性らしさの解放

 「ニュー・ルック」とは、女性らしさを前面に押し出したシルエットのこと。クリスチャン・ディオールが生みの親。

 ファッションを楽しめる時代ではなかった世界大戦の反動でしょうか、女性の解放が象徴されたファッションが流行したのです。

 

ニュールック 小さな泥棒

「ニュー・ルック」

世界大戦中はドイツの毒ガス攻撃に備えて、女性でもガスマスクをつけたりしてたらしいよ。ファッションどころじゃなかったんだよね、戦争中は

女性が好きな服を着れるのは平和の証拠でもあるわけです。

 

ジャニーヌはニュー・ルックに憧れるけど、お金がない。そこで盗みに手を染めるわけです。

最初の恋人は43歳

ふとしたことから恋仲になった相手は、43歳の公務員。

彼に見下されまいと、必死に大人ぶろうとするジャニーヌ。

大人ぶろうとして、そこらの男にあっさり処女をあげてしまうんです。

しかし、その後は同い年くらいの少年と恋仲になり、43歳の男はあっさりフェードアウト。

女子少年院に入れられる

 火遊びが過ぎて、ジャニーヌは女子少年院に入れられます。

 そこで、修道女が、囚人一人一人に謎の注射をします。

小さな泥棒 注射

何の注射なんだろう? 『小さな泥棒』

何でしょうね、この注射は?

しかも同じ注射器を使いまわしています。恐ろしいほどの衛生観念の低さですね……。

産むか、堕ろすか

ジャニーヌは刑務所内で知り合った友人と共に、女子少年院を脱走します。

叔母夫婦の家に戻りますが、すでに自分の居場所はなくなっていました。

彼女はすでに犯罪者として指名手配されていたのです。

そんな折、妊娠が発覚し、自らの来し方行く末を考えます。

 

迷う彼女は映画館へ行き、戦争映画を見ます。

そこには何とかつての恋人が映っていました。戦争へ向かう彼の姿を見て、ジャニーヌは決意を固めます。

彼女は堕胎を拒否し、バスに乗ってどこかへ旅立ちます。

一人と一人の旅が始まったところで、映画は終わります。

まとめ

 要約すると、少女の成長物語です。

 大戦後のフランスでは女性が解放され、自分の生き方を選べるようになりました。

 しかし、選択肢が多いほど悩みが深くなるのも事実。

 今までは男性に従属的に生きるだけだった世界から急に「一人で生きろ」という世界に変転すれば、迷う女性も多いでしょう。

 そういう意味では、ジャニーヌはごくふつうの女の子なのかもしれません。

 悩む女性って美しい。