前回の記事に引き続き、ここでは、おすすめの全集や注意点を紹介しますね。
まず、全集を読む前の注意点から。
そのあとで、おすすめの全集を紹介します。
1.全集を読む前の注意点
単に「全集」と言っても、注意すべき点が2つあります。
①全集とはいえ収録されていないものもある
全集=その作家のすべての作品が収録されている
──と何度も言いましたが、全集の編集方針によっては、そうでないこともあります。
たとえば━━
「大江健三郎全小説」は、なんか全集っぽい感じの本ですが、
「全集」ではなく「全小説」と書いてあるように、小説のみを集めたシリーズです。
小説以外のエッセイなどは、読めません。
一口に全集と言っても、その全集を編集する人はそれぞれちがいます。
編集方針によっては、「全集」と言いつつも、一部収録されていないものもあったりしますので、注意。
その全集の内容を知りたい場合
「〇〇全集 目録」などでググると、目次が出てきますのでそれを参考にしましょう。
②作家の生前に刊行された全集は注意
全集は基本的に、大物の作家が亡くなった後に刊行されるものですが……。
中には、作家がまだ生きているうちに刊行されるものもあります。
例えば━━
筒井康隆全集は、筒井康隆がまだバリバリ生きている時に刊行されています。
なので、筒井康隆の作品を途中までしか収録できていません。
全集と書かれていても、その後作家が新作をバンバン書き始めると、もはや全集ではなくなってしまうので注意。
2.おすすめ全集の選び方
全集をえらぶ際の注意点は2つだけです!
少ない巻数の全集
自分が心から好きな作家の全集
──これだけです。
安部公房の全集は、全30巻と大ボリュームなので、へたに手を出さない方がいい。(僕も途中で挫折しました)
やはり、最初に読むべきは巻数の少ない全集がいい。
梶井基次郎全集なんかは、文庫本でたった1巻だけです!
梶井基次郎は若くして死んでるから、作品数が少ないのです。
たった一巻だけなら読めそうでしょ?
他にも、中島敦全集なんかも全3巻なので、かなり読みやすそうですね。
もちろん、たった3巻でも興味のない作家だと読むのがつらいと思うので、
なんとか「巻数が少ない+好きな作家」という黄金の条件を満たしている作家を、がんばって探しましょう!