労働基準法を無視した会社にこき使われないためには、ブラック企業かどうか見きわめることが大事です。
どんなブラック企業でも、会社説明会の段階では、
「ホワイトですけどなにか?」
──という演技をしているものです。
今回は、ブラック企業の説明会の演技を見破る方法を紹介します。
ちなみに、これは俺が就活してきた上で、身をもって体感したブラック企業の特徴です。
あ、ちなみに、俺は就活で何十回も落とされたので、完全に就活弱者です。
でも、就活弱者だからこそ、分かることもあるので、どうか就活強者の人にも読んでほしい。
これから新卒として就活する人
転職活動をする予定のある人
タップできるもくじ
①会社の理念はよくしゃべるくせに、労働条件になると話さなくなる
俺が就活をやっていて、いちばん多く出会ったのがこのタイプの会社。
「我が社は、利益を上げることで国に多くの税金をおさめ、日本に貢献したいのです! そのためには、人間尊重を基本とし、信用を重んじ確実を旨とする。」
「まだ見ぬフロンティアを開拓し、世界に名だたる企業としてのプレゼンスを高めたいのです! 世はまさに大グローバル時代!」
説明会で多少はこういうドデカい話をするのは当然です。
「理念=会社の目標」ですから、これがないと会社としてダメなこともわかります。
しかし
理念ばかりを一方的に話して、いざ社員個人個人の労働条件や労働環境になると、とたんに口をにごす会社がいっぱいあります。
今でも忘れられないんですが、俺がある会社の説明会に行ったときのこと。
会社の役員が何度も何度も会社の理念を説明した後に、俺が
「社員のワークライフバランスで心がけていることはありますか?」と質問したら、
俺の座っている机の前まで来て、労働条件や年間休日が書かれている資料のページを指さして、
「これ見たら分かるでしょ?」
──との一言だけで済まされました。
理念はこっちが聞かなくても何度も説明するくせに、社員の労働条件になると、とたんにこの態度です。
理念ばかりが先行して、社員の労働環境に向き合わない会社になんて誰が入ろうと思うでしょうか?
あまりにも衝撃だったので、この会社はやめておきました。
俺が思うに、中小企業の7割くらいは、多かれ少なかれブラック企業です。
そうしたブラック企業は、労働環境について質問されることを恐れています。
「労働環境の質問されても正直に答えられないし、ウソをつくのもめんどくさい。なら、会社の理念ばかりしゃべって、労働環境についての質問をさせないようにしよう」
──こう考えている企業がけっこう多いと思うのです。
【対策】
対策としては、「怖がらずに労働環境について正面から聞く」
──これしかないです。
といっても、「何時に帰れますか?」とか「休日はどれくらいありますか?」みたいな質問は無礼すぎるのでNG。
俺はよく「社員の方のワーク・ライフ・バランスで心がけていることはありますか?」と聞いていました。
他にも、「アフター5は何をされていますか?」なんて聞き方もありだと思います。
このへんは、俺も試行錯誤の連続だったので、あまりうまい質問はできてないんですけどね
なんにせよ、「労働条件について何も聞かない」のは絶対ダメです。
最初は、少し無礼な聞き方になっても大丈夫です。
労働環境について聞くことが、その会社がブラック企業かどうかを見きわめる重要なポイントになることは間違いないですから。
②主語が大きい
すぐに「世界」とか「グローバル」とか、大きな言葉を主語にしてしゃべる会社も危険です。
これ、大企業にも多いと思いますが、主語を大きくして語る会社はブラック企業かもしれません。
実際のところ、世界を股にかけて仕事できる人なんて、ごくわずかです。
ほとんどの新卒は、「世界がどうとかよりも、毎日のワークライフバランスのほうが大事だろ」っていうのが本音でしょう。
主語を大きくして語ると、なんとなく賢そうに見えますし、すごそうな企業に見えます。
しかし
そういう会社ほど、世界ばかりに目を向けていて、もっと小さな単位である社員のケアを忘れているものです。
特にアピールポイントの少ない中小企業は、すぐに主語を大きくしてすごい会社に見せかけようとします。
このへんは、詐欺師の手口とかわりません
不自然に主語が大きくなった場合、なにかをごまかそうとしていると考えたほうがいいです。
【対策】
やっちゃいけないことは、会社の人が主語を大きくして語っているところに、
「じゃあ、社員個人個人のケアはどうなってるんですか?」と聞いてしまうこと。
世界のことについて語っていたのに、急に社員個人レベルの話をもちかけると、向こうの話のペースも乱してしまいます。
これではやはり失礼になってしまいます
まずは、相手の土俵に乗っかって、「世界レベルで活躍されている企業なんですねー。すごいです!」
──みたいな感じで、相手をヨイショしましょう。
こちらが相手に好意を示すと、「返報性の原理」が働きますから、向こうも打ち解けてくれます。
主語の大きい相手の話に乗っかってじゅうぶんに打ち解けたところで、こちらから主語を小さくして社員個人のワークライフバランスについて聞いてみましょう。
ま、言うだけなら簡単ですが、このへんのさじ加減はムズイです。俺も失敗ばかりしてます
③すぐに一般論に持ちこむ
「会社の説明会を聞いたものの、その会社の具体的なところがなにも分からなかった……。」
──という場合は、会社側がうまく一般論に逃げていた可能性が高いです。
その会社があまりアピールポイントを持っていない場合、一般論ばかり言うことが多いんですよ。
たとえば、
「この業界では一般的に、こんな仕事内容が多いです」
──みたいに、その会社のことではなく、業界全体の話ばかりしてくるようなところは危ないです。
一般論に逃げて、煙に巻こうとしているのです
具体的に話すと、ブラック企業であることがバレてしまうからでしょうね。
【対策】
対策としては、負けずに深掘りして聞くことです。
御社の労働条件について聞いたのに、「この業界では一般的にこんな労働条件ですよ」とごまかされた場合、
それで引き下がってはいけません。
「あ、業界ではそうなんですね。では、御社ではどのような労働条件なんでしょうか?」
──と一般論に逃がさずに、具体的に聞きましょう。
それでも、なんだかんだと理由をつけて一般論に逃げるようなら、ブラック企業の可能性大。
そんな会社は、こっちから辞退してやりましょう
④先輩社員が目を合わせてくれない
企業の説明会や面接に行ったら、ぜひ先輩社員に話しかけてみましょう。
その先輩社員が明らかに目を合わせてくれない場合、ブラック企業である可能性が高いです。
先輩社員は、その会社がブラック企業であるかどうかを確実に知っています。
(新入社員よ、この会社はブラックだぞ。でも、上司のいる前でそんなこと言えないよなー)
──という罪悪感から、新入社員に目を合わせない先輩社員がけっこう多い気がします。
これは男女差もあるから、見極めはムズカシイんですけどね。女性はいつでも目を合わせてしゃべる人が多いし
【対策】
先輩社員が目を合わせてくれている場合でも、ホワイト企業とは限りません。
俺は、ブラック企業かどうかを見分けるには、年の若い先輩社員と話すのがいちばんいいと考えています。
若い先輩社員なら、まだ会社の洗脳もそれほど受けていませんし、会社への帰属意識も低い。
しかも、年齢も近いですから、かなり正直な話ができるからです。
俺がある不動産会社の説明会に行ったときのこと。
「新卒のみんなに、うちの会社の物件を見せてやろう」という流れになったので、
まだ若い先輩社員の運転する車で、現地に向かうことになったんです。
車は密室。乗っているのは、若い先輩社員と俺たち新卒だけ。
上司の監視の目がなかったので、思う存分、会社のマジな話を聞くことができました。
先輩社員から出るわ出るわブラック企業のエピソード。
「この会社ふつうにブラックだぞ。他の会社があるなら、そっちいけ」
──と忠告されたので、その会社は辞退しました。
⑤女性社員の扱いかたが雑
女性社員の扱いかたも、チェックすべきポイントです。
古い体質の会社は、男性社員と女性社員の扱いがぜんぜん違っていたりします。
女性社員にばかり、お茶汲みや電話の応答、書類の整理を押しつけている会社は「古い会社=ブラック企業」である可能性が高いです。
これは特に女性の人がチェックすべきポイントです
リクナビやマイナビを見ると、社員の平均年齢がのっていますが、
この平均年齢が高すぎると、時代遅れの会社の可能性が高いです。
個人的には平均年齢が40歳を超えているとヤバイ印象
「社員の平均年齢が高い」=「古い体質の会社」
平均年齢は、ブラック企業かどうかを判定する一つの目安になると思います。
一度、時間を間違えて、早い時間に説明会会場に着いたことがあります。
会場を見ると、社員の人たちが俺たち新卒が座るイスをセッティングしたり、書類を机に置いたり、いろいろ準備をしていました。
でも、
それをほぼすべて女性社員がやっていたんですよ。
男性社員(年齢層は高め)たちは、隅っこで集まってムダ話ばかりしてました。
まるで、「下準備は女性社員の仕事だろ?」みたいな態度でした。
それを見て俺は、
「うわー、なんか時代遅れの会社だなー」と思ってしまいましたね。
けっきょく、その後面接で落とされたので、その会社が本当にブラック企業だったのかどうかは分からないけれど。
【まとめ】ブラック企業かどうか見きわめるには、こっちから質問するしかない
どうでしたか?
これが、俺の経験則から導き出した、「ブラック企業かどうか見分ける方法」です。
就活をしてきて、つくづく思うんですが、その会社がブラック企業かどうか見分けるには、
もう、こっちから質問をしまくるしかないです。
黙ってても、向こうから「ブラック企業ですよ」と教えてくれる会社なんて絶対にありません。
こっちからどんどん深掘りして質問していけば、相手がブラック企業なら必ずボロが出ます。
怖がらず、恐れずに質問しましょう
説明会なんて、どうせその場限りの付き合いです。
多少、相手に不愉快な思いをさせようが、恥をかこうが、そこまで気にしなくていい。
将来、ブラック企業で搾取されたくないなら、こっちからどんどん質問しましょう!