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吉本孝明の共同幻想論が衝撃『遅いインターネット』感想 宇野常寛

遅いインターネット



「あえて、遅いインターネットの価値を見直そう」

この本の主張する「遅いインターネット」は、早すぎるインターネットの情報洪水に疲れた人にとっては、救いになると思う。

現在の世界の主流は、間違いなく、高速で流れる川だ。
情報が恐ろしい速さで流れ、落ち着いて考えるヒマもない。

それに対して、「遅いインターネット」は、湖のようなものではないだろうか。

湖と川はつながってはいるが、湖には川のような速い流れがなく、流動性が少ない。

「川にいたら流れが速すぎて考えるヒマもない。だから、湖で少しゆっくり座って考えてみませんか?」

「遅いインターネット」とはこんなイメージではないだろうか?



この本の感想を書きたいのだけど、感想が多すぎてまとまったことを書けそうにないので、みんなが気になったであろう吉本隆明の『共同幻想論』について、少しだけ書いておきます。

吉本隆明の『共同幻想論』

著者の宇野常寛いわく、吉本隆明の『共同幻想論』は、現在のSNS社会を予見していたそうです。

1968年の古い本なのに?!



『共同幻想論』によると──
人間がその世界を認識するために、3つの幻想が機能する。

すなわち、自己幻想、対幻想、そして共同幻想の3つ。

POINT 自己幻想とは、文字通り自分自身に対する像、つまり自己像のこと。

対幻想とは、一対一の関係について、その二者があなたと私とはこのような関係なのだと信じる幻想のこと。

共同幻想とは、集団が共有する目に見えない存在のこと。

3つの幻想を現代にあてはめると……

この3つの幻想を、宇野常寛は現代のSNSに当てはめている。



自己幻想とはプロフィールのことであり、対幻想とはメッセンジャーのことであり、そして共同幻想とはタイムラインのことに他ならない。

自己幻想の肥大した人間はFacebookに依存し、対幻想に依存する人間はその対象となる人物とのLINEに執着し、そして共同幻想に同化する人々はTwitterに執着する。

           

自分がいかに社会的に充実した生活を送っているかをアピールしたい人は、常にFacebookに著名人とのセルフィーを投稿し、この人にだけは認められていれば良いと依存してしまう人々は常にLINEの既読マークを気にしながら生活している。

そして社会に対して発言することで、何者でもない自分を底上げしたがる人々は常にTwitterのタイムラインを読んでいる。

人類はいつの間にか吉本の提起した3つの幻想に基づいて情報社会を構築しつつある。



うーむ。衝撃的ですな……



Twitterを愛用している僕は、共同幻想に同化しているのでしょうか。
たしかに、僕はリア充ではないのでFacebookはあまりやらないし、尊敬する人が身近にいるわけでもないのでLINEでしつこくメッセージを送ることはない。

でも、Twitterは好きなのでずっとやっている。

自分(一人称)と相手(二人称)には幻想を抱けない僕は、最後に残された社会(三人称)の世界の幻想にすがっているのかもしれない。

【おわりに】再読します

一度読んだだけでは、この程度の感想しか出てこなかったので、また再読する必要アリ!



ちなみに、Twitterでいち早く感想をつぶやいたら、著者の人からリプをもらいました!

この楽しみがあるから、新刊本レビューはやめられません



わざわざリプをくださった宇野常寛さんに感謝します。