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ジーマクレジットが中国人をいい人にした『アフターデジタル オフラインのない時代に生き残る』感想

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世界はオフラインが基本で、一部にオンラインがあるだけだと思っているあなた。

この本を読めば、びっくり仰天しますよ。

この本の主張は、ただ1つ。
「オフラインとオンラインの境界線がなくなり、24時間オンライン状態が当たり前になる」

──ということ。

本書では、それをOMO(Online merges with offline)と呼んでいます。

ちなみに、この本の表紙の2色が溶け合ったようなグラデーションになっているのは、オフラインとオンラインの境界線がなくなることを示しているらしい



1.オフラインが消える

日本にはまだ、「自分がスマホを取り出したり、PCの前に座らない限りはオフラインだ」という感覚がありますが、それ、もう時代遅れかもしれません。


本書では、スウェーデンの例があげられています。


スウェーデンでは、QRコードすら過去の遺物になっており、今では人間の体内に注射で埋め込んだマイクロチップでデジタル決済を行っているそうです。

指にマイクロチップが埋め込まれていて、それをかざすと「ピピっ、決済完了」みたいな感じです

肌身離さずっていうか、肌の中にチップがあるんですね。
これなら、どんなおっちょこちょいでも、なくす心配がありません。

体内にチップを埋めこむということは、24時間常にオンライン状態ってことですよね。

ふだん、どんな食糧を買っていて、どんな趣味にお金をかけているのか、どこからどこまで移動しているのか、などの情報すべてがデータとして吸い上げられているということです。

常にオンライン状態になるマイクロチップが、スウェーデンでどう受け入れられているのか興味がありますが、本書ではそこまでは述べられていません。

2.ジーマ・クレジットであなたの信用が数値化される

本書では、いまやアメリカを超えるIT先進国となった中国のことが詳しく書かれています。

中国ではアリババが運営するキャッシュレス決済サービス、アリペイ(AliPay)が有名です。

アリペイがないと、中国ではふつうの生活もしにくくなるそうです。



そのアリババが2015年に開始した、ジーマ・クレジット(芝麻信用)というサービスが中国人のモラルを変えてしまったそうです。

ジーマクレジットは、個人の信用を「見える化」するサービスです。

その人が、どれくらいの学歴があって、どんな経歴なのか、借金はあるか、つまりどれくらい信用できる人間なのかを数値化しちゃうそうです。

どんなふうに評価するのかというと、こんな感じ。

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https://iotnews.jp/archives/140571より


国民の一人が一人がTOEICのスコアみたいなもので、評価される時代ということ?!



AliPayの利用履歴を中心に携帯サービスの利用状況など膨大なデータを収集し、それをAIで分析してユーザの信用スコアを算出するそうです(怖ぇ)。

すでに中国では、5億人がこのジーマクレジットの評価をあげることに夢中になっているのだとか。



なかには、SNSに自分のジーマクレジットの数値をのせている人もいるらしい。

日本のSNSでもTOEICスコアをのせている人がいますが、あんな感じでしょうか



ジーマクレジットの数値が高いと、いろんなサービスで特典を受けられたり、婚活で有利になったりするそうです。

ジーマクレジットが中国人を「いい人」にした

中国では、「人を押しのけてでも利益を得よう」みたいな価値観があって、列を乱したりする人が多いそうです。

しかし、ジーマクレジットがあるおかげで、悪いことをする中国人が減っているのだとか。

へたに悪いことをすると、ジーマクレジットの数値が下がっちゃう。
だから、できるだけ人にいいことをして、ジーマクレジットの数値を上げよう。

そう考える中国人が増えたことによって、結果的に、利己的な人が減り、利他的で親切な中国人が増加中なのだそうです。

なんか、数値あげるために親切になるっていうのも薄気味悪い気がしますが…



中学校とかでも、内申点欲しさにいつも教師に気に入られるような言動をしている学生がいませんでしたか?
イメージとしては、それに近いです。

中国人にとっての内申点が、ジーマクレジットなんですね。



ちょっと気味が悪い気もしますが、結果的に中国人がやさしくなって、他人におもてなしの精神を持てているようになっているのなら、結果オーライ。


いいことなのではないでしょうか?

【おわりに】ジーマクレジットは日本人をどう変えるか?

日本でもジーマクレジットと同じように、人の信用を数値化するサービスを導入するかどうか検討がはじまっているそうです。

日本でもジーマクレジットと同じようなサービスが始まったら……どうなるんでしょうね。

具体的に何をすればジーマクレジットの評価UPにつながるのかは、アルゴリズムが秘密にされているので、わからないそうです。

つまり、24時間AIに気に入られるように、気を配らないといけないということでしょうか?



最初のスウェーデンの例のように、僕らの体内にチップが埋め込まれたら……。
ちょっとでもマナー違反をしたり、ましてや犯罪でも犯そうものなら、たちどころにジーマクレジットの評価が下がってしまう。

結果として、僕たちは24時間、オンラインでいることになり、オフラインでいる時間が消えてしまうかも。

「オフラインって、おじいちゃんが若いころにあった、さみしい世界のことでしょ?」

未来の子供が、こんなことを言っているのが聞こえてきそうです。