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江戸川乱歩の悩みが僕とそっくり

江戸川乱歩は、僕が夢中になった推理作家です。

実は江戸川乱歩は、何事も長続きしない性格でなんども転職していたんですよ。

そのへんのことは⬇︎⬇︎⬇︎で書きました。



今でこそ歴史上の人物になっている江戸川乱歩ですが、彼もまた若い頃は悩みに悩んでいたようです。

ぼくとそっくりな悩みがあったので、ここに引用しておきます。

これは、江戸川乱歩が書いたエッセイの一節です。

僕はこれを読んだ時、「うわー。俺とすっごい似てる悩みだな」とびっくりしてしまいました(だから、わざわざメモっていたわけですけど)。


みなさんはどう思われるでしょうか?

私に青春時代のなかったもう一つの原因は、恋愛を解しなかったことにある。

分析して見れば、やはり上記の劣等感から来ていたのかもしれないが、そればかりではなく、 私は恋愛至上的な考えを持ち得ないような性格であった。

私は子供のころ、右の劣等感とは関係なく、日本音楽(ことに三味線)に何か卑猥なものを感じた。そして、それを嫌悪した。「現実」の異性に対しても同じような嫌悪があった。二十二、三歳まで、それがつづいた。

その後三味線音楽を好むようになってから、異性への嫌悪も消えていったが、しかし、どんな美しい異性をも、唯一無上のものとして尊敬するような考えにはなれなかった。

恋愛におけるニヒリズムとでもいうのであろうか。 恋愛ばかりでなく、すべての物の考え方がだれとも一致しなかった。

しかし、孤独に徹する勇気もなく、犯罪者にもなれず、自殺するほどの強い情熱もなく、結局、偽善的(仮面的)に世間と交わっていくほかはなかった。

上記の引用は⬇︎⬇︎⬇︎の『わが夢と真実』より。



まあ、僕も本ばかり読んでいて、内省的で厭世的な青春時代を送ったので、乱歩の気持ちはかなりよくわかるほうです。

とくに最後の一文。

しかし、孤独に徹する勇気もなく、犯罪者にもなれず、自殺するほどの強い情熱もなく、結局、偽善的(仮面的)に世間と交わっていくほかはなかった。

自分は周囲になじめないなあ、と思いながらも完全に一人ぼっちになるほどの勇気もなく、かといって人生を降りる決断もできず、作り笑いが刻印された仮面をつけたまま世間と付き合い続けなくてはならない……。

乱歩、お前も俺と一緒だったのか



まあ、なんだかんだいって、他人とのかかわりは嫌なこともあれど、結果的には楽しいものです。

完全に一人になる勇気なんて、ないほうが幸せになれるでしょうね。